きちんとした就活写真を撮るコツとは?背景・構図・表情を徹底解説

就職活動における証明写真は、第一印象を決定づける重要な要素となります。
背景、構図、そして表情は、志望する業界や企業の求めるイメージにあわせることがポイントです。就活を成功させるためにも、自分が目指す業界や企業の雰囲気にあった「きちんとした就活写真」を撮影し、採用担当者に好印象を与えることを目指しましょう。
この記事では、就活写真の背景・構図・表情などについて詳しく解説します。

就活証明写真の重要性と用途

就職活動における証明写真(以下、就活写真という)は、応募時の履歴書やエントリーシートに添付する写真です。
企業の採用担当者にとって、あなたの第一印象を左右する非常に重要な一枚となるため、好印象を与えられることが重要になります。自信にあふれる表情であったり、応募する企業の雰囲気にマッチした写真を撮影し、採用担当者から好印象の仕上がりを目指すようにしましょう。

就職活動で知っておきたい「メラビアンの法則」

みなさんは、「メラビアンの法則」をご存知でしょうか?
この法則は、1971年に心理学者アルバート・メラビアンが提唱したもので、人間がコミュニケーションから受け取る情報の割合を示しています。その内訳は、言語情報(話の内容)が7%、聴覚情報(声のトーンや話し方)が38%、視覚情報(見た目や表情)が55%を占めるというものです。特に視覚情報が第一印象に大きく影響するといわれていることから、この法則は「7-38-55ルール」や「3Vの法則」とも呼ばれます。
この法則によると、第一印象は出会ってわずか3秒で形成され、その印象がその後の評価に影響を与えるともいわれています。このことから、就職活動では、写真の表情や服装、髪型といった視覚的な要素が特に重要であることがうかがえます。応募先の企業や職種にあったイメージを演出するなど、上手に活用することで、自分の魅力を最大限にアピールできるでしょう。

このように、メラビアンの法則を意識した証明写真や面接時の身だしなみの準備は、採用担当者によい印象を与えるための効果的な手段です。この法則を活用し、就職活動を成功へと導きましょう。

就活写真の背景と照明

各種証明写真を撮るときは、背景を選択するステップがあります。
しかしながら、ほとんどの企業で求められる就活写真は、背景の指定がないため、どのような背景で撮影するか悩む人も多いのではないでしょうか。
指定がないということは自由ということですが、背景の指定がない場合であっても、何色を使ってもよい、好きな色で撮影してもよいというわけではないので注意しましょう。

写真における背景は、そこに写るあなたの印象も左右するため、非常に大切なポイントとなります。そして、背景にあわせて適切な証明を設定することで、理想の写真に近づける事が可能です。写真を撮るときにヘアメイクや服装だけでなく、背景や照明にも気を配ることで、「きちんとした就活写真」を撮ることにつながります
どのような色が就活写真に向いているのか、反対にどのような色は避けたほうがよいのか、また、背景色がもたらす印象などを確認していきましょう。

就活写真に向いている背景色

就活写真では、白・ライトグレー・青などの無地の背景色が一般的です。

これらの色は清潔感や信頼感を引き出し、応募先企業に好印象を与える効果があります。最近では、証明写真にグラデーション背景を活用されることも増えてきましたが、基本はシンプルで落ち着いた色が適しています。背景選びに迷った場合は、撮影スタジオで相談し、業界や職種に合った背景色を選ぶとよいでしょう

就活写真に向いていない背景色

パステルカラーや暗い色、原色や柄のある背景は、就活写真には不向きです。
やわらかい色味のパステルカラーはやさしい印象になりますが、就活写真では頼りない印象を与える可能性があります。また、暗い色はスーツや髪色が同化してしまったり、重い印象になりがちです。被写体よりも目立ってしまう原色や柄のような主張の強い背景を使うと、被写体の印象が薄くなったり、悪くなったりする可能性があります。

就活写真を撮影するときに忘れてはいけないのが、「被写体がどのような人なのかを伝えること」が目的ということです。背景はシンプルで、余計な視覚情報を削ぎ落とし、被写体が際立つものを選択するようにしましょう。

背景色がもたらす印象とは

それぞれの背景色がもたらすイメージは以下のとおりです。
どのようなシチュエーションで活用しやすいかも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【背景色がもたらす印象一例】

背景色印象や特徴おすすめの業種
・就職活動の証明写真の定番色・明るく清潔感がある印象になる・被写体が際立つ色・・ブラック、グレー、ネイビーなど、どのような色の衣装にもあわせやすい反面、白飛びすることもある・色白の人は印象がぼやけることがあるので注意することどの業界でも使いやすい色
ライトグレー・暗さも明るさも引き立てる万能色・真面目な印象、落ち着きのある印象になる・被写体の印象が際立つ色・白では明るすぎる場合に使える・肌や服装の色を選ばず使いやすい反面、色が濃いと暗い印象になるため、ライトグレーに留めること金融系・事務系など
青またはライトブルー・就職活動の証明写真の定番色・白色同様、明るく清潔感がある印象になる・さわやかで清涼感のある色・暗い印象やさみしい印象になりにくい色色が濃いと暗い印象になるため、注意することエアラインなど
グラデーション背景・一般的にグレーや青が用いられる・「単色」ではないものの、「無背景」と指定がある場合でも使える・寂しい印象にならない・顔色がよく見えるどの業界でも使いやすい色

※就活写真ドットコム調べ

就活写真の構図

就活写真は、基本的にバストアップが主流ですが、業界によっては全身写真が必要となる場合もあります。その際は、構図に応じて適切なポーズを取ることが重要です。
バストアップでも全身写真でも、姿勢を正し、清潔感と自信を伝えることが求められます。特に職種によっては、ポーズが採用担当者の印象を左右することもありますので、それぞれの構図にあわせた撮影時の注意点を確認しておきましょう。

バストアップ写真

バストアップ写真は、胸から上を撮影する構図で、主に表情が強調されるため、顔の印象が重要です。
基本的に着席スタイルで、顔や表情、全体の雰囲気を伝えるために撮影します。手先や足先は写りませんが、バストアップ写真からも姿勢の美しさは伝わるため、撮影時は背筋をしっかり伸ばし、全身の姿勢を意識しつつも、肩の力は抜いてほどよくリラックスすることも大切です。自然な表情を心がけ、姿勢を正して撮影にのぞみましょう。

男性のバストアップ写真のポーズ

  1. 椅子に腰掛け、足は自然に開く
  2. カメラを真っ直ぐ見て、軽く顎を引く
  3. 姿勢を伸ばす
  4. 肩を開き胸を張る
  5. 腕は自然におろし、両手を両膝に乗せる

女性のバストアップ写真のポーズ

  1. 椅子に腰掛け、両膝をあわせて足を閉じる
  2. カメラを真っ直ぐ見て、軽く顎を引く
  3. 姿勢を伸ばす
  4. 肩を開き胸を張る
  5. 腕は自然におろし、両手のひらを足の上で重ねる

全身写真

H2就活写真のポーズ

全身写真は、手先や足元まですべてを写す構図で、基本的に立ち姿で撮影されます。
指先や足先の向きまで確認できる構図となりますので、全身のバランスを意識し、正しい姿勢で立つことが重要です。ポーズにも細心の注意を払いましょう。

また、衣服の乱れや靴の汚れなど細かい部分にも注意を払い、全体的に整った印象を与えるよう心がけましょう
以下が基本の姿勢となりますが、業界や企業によって求められるポーズが異なるため、企業の雰囲気にあったポーズを取ることが大切です。体のバランスを意識しながら、自然でリラックスした姿勢を心がけましょう。

男性の全身写真のポーズ

  1. 足を肩幅くらいに開いて、カメラの前に立つ※
  2. カメラを真っ直ぐ見て、軽く顎を引く
  3. 姿勢を伸ばす
  4. 肩を開き胸を張る
  5. 腕は自然におろし、体に添わせる

※必要に応じて、体を少し斜めにすることもある

女性の全身写真のポーズ

  1. 足を閉じて、カメラの前に立つ
  2. カメラを真っ直ぐ見て、軽く顎を引く※
  3. 姿勢を伸ばす
  4. 肩を開き胸を張る
  5. 腕は自然におろし、おへその前で重ねる
  6. 脇を体から少し離し、三角形のスペースをつくるようにする

※必要に応じて、体を少し斜めにすることもある

以下の記事では、エアラインやアナウンサーなど、職業別の全身写真の撮り方をご紹介しています。

就活写真の表情

新卒の就活写真では、フレッシュで若々しい印象が理想的です。清潔感と誠実さを大切にした表情を心がけましょう。
転職者の場合は落ち着きと自信を持った印象が求められることがありますので、希望する企業のイメージや求人内容を参考に、自分の表情づくりをしてみてください。

好印象をもたせる表情とは

就活写真で大切なのは、目もとと口もとを意識し、自然な笑顔で好印象を与えることです。
写真はただ撮るのではなく、「表情」をつくることが重要ですので、リラックスしつつも、自分が写真にどう写っているのかを意識して撮影しましょう。

自然な表情の作り方

就活写真の表情は、適度に口角を上げた表情で撮影できると理想的です。
無表情は避け、自然なやわらかい表情を意識しましょう。

  1. 目は自然に開くか、少しまぶたを持ち上げるように意識する
  2. 両口角を上げるようにして、微笑む
  3. 軽く顎を引く

歯は見せて笑う?

就活写真において、歯を見せて笑うかどうかは業界によって異なります。
一般的には口を閉じた自然な微笑が好まれますが、アナウンサーなどの業種によっては歯を見せた笑顔が適している場合もあります。その場合は、口もとの印象を整えておくことが大切です。歯並びや歯の黄ばみなどに注意し、好印象を抱いてもらえるようにしましょう。
歯を見せた笑顔の作り方は、以下を参考にしてみてください。

歯を見せた笑顔の作り方

歯を見せる笑顔は、笑い方のコツがあります。
自然な笑顔とはいえ、あくまでも好印象を抱いてもらうことが大切です。笑いすぎたり、口を開けないように注意しましょう。

  1. 目は自然に開くか、少しまぶたを持ち上げるように意識する
  2. 両口角を上げ、上の歯を見せるようにして笑う
  3. 軽く顎を引く

その他の気をつけるポイントとは?

きちんとした就活写真を撮影するために、以下の3点にも留意しておきましょう。

  • 基本的に顔と体の向きは正面
  • 顎を上げすぎない、下げすぎないこと
  • メガネをかけてもOK!

これまでにもお伝えしたとおり、業界によっては、顔や体を少し斜めにすることを可とされていることもありますが、基本的に顔と体の向きはカメラに対して正面で撮影しましょう。

また、バストアップであっても、全身写真であっても、顎を上げすぎたり下げすぎないように注意することが大切です。

そして、「メガネをかけて撮影しても大丈夫ですか?」という質問も多くいただきます。
就活写真は、メガネをかけて撮影しても、コンタクトを装着して撮影しても大丈夫です。ただし、派手なフレームのメガネやカラーコンタクトレンズなど、就活にふさわしくないものは避けるようにし、選考が進んだあと面接時に差異がないよう、普段から自分が使っているスタイルで撮影しましょう。

以下の記事では、「就活写真を撮影、こんなときどうする?」という質問にお答えしています。ぜひあわせてお読みください。

就活写真を成功させるには

就活写真の撮影を成功させることは、内定をもらうことにもつながります。
今回ご紹介したポイントを含め、以下のことに気をつけてみましょう。

就活証明写真の重要性と用途を確認する

就活に使う証明写真は、企業への応募書類のひとつです。
あなたがどのような人なのかを採用担当者に伝えるための写真となりますので、「どのような印象を持ってほしいのか」「どのような写真を撮りたいのか」を明確にして撮影しましょう。

以下の記事では、就活写真の基礎知識についてまとめています。

撮影は写真館がおすすめ!

就活の照明写真は、スピード写真機やセルフで撮影することもできます。
しかしながら、これらの方法は必要なときにすぐに撮影できる反面、きちんと目的にあった写真を撮るのは難しいでしょう。本気で内定を目指すなら、ひとりひとりのよさを引き出してくれる写真館での撮影がおすすめです。

以下の記事では、就活写真をセルフで撮影する方法や写真館がおすすめの理由についてまとめています。

就活写真を写真館で撮影する際の基本ルールとは

就活写真は「必要な写真」が明確です。
たとえば、撮影日を企業の提出締切に間にあうように設定したり、募集要項に従ったサイズや構図の写真を用意する必要があります。
さらに、自分の魅力を最大限に引き出すためには、準備をしっかりおこなうことが重要です。スムーズで的確な就活写真を撮影するために、就活写真を写真館で撮影する際の基本ルールを確認しましょう。

基本的に3ヶ月以内の写真を使用する

一般的に、就活写真の使用期限は3ヶ月〜6ヶ月以内といわれています。
ただし、企業によっては指定があることもあるため、応募する企業の募集要項を確認し、適切な時期に撮影することが重要です。また、期限内であっても、髪型などが現在のあなたと変化がある場合は、必要に応じて再撮影を検討しましょう。

以下の記事では、就活写真の期限や撮影のタイミングについてまとめています。

サイズを厳守すること

就活写真の一般的なサイズは、履歴書用では4.0cm×3.0cmです。
写真も応募書類のひとつですので、応募先の応募要項に従ってサイズを厳守して準備しましょう。

以下の記事では、就活写真のサイズや形式についてまとめています。

就活写真を写真館で撮影したい!流れやポイントとは?

就活証明写真は、きちんとプロセスを守ることでスムーズに撮影ができます。
一般的な就活写真の流れは以下のとおりです。写真館によって異なる場合もあるので、予約時に確認するようにしましょう。

就活写真の撮影までの流れ

  1. 応募先の決定
  2. 規定サイズの確認
  3. 写真館を予約
  4. 衣装の決定
  5. 練習する
  6. 本番撮影
  7. レタッチ
  8. 受け取り

以下の記事では、撮影マナー・プロに依頼するメリット・スタジオ撮影のコツを解説しています。

撮影を成功させるポイント7選

就活写真は、背景・照明・衣装・ヘアメイクなどに注意を払うことで、より好印象な写真に近づけることが可能です。
撮影前・撮影当日・撮影後には、以下の7つのポイントを確認してみましょう。

背景色とライティング

この記事でもお伝えしたとおり、背景とライティングは、写真の印象を左右する重要な要素です。
希望する業界の許容範囲内で、見せたい印象や企業にマッチした雰囲気を叶える背景や照明を設定しましょう。
一般的に、就活写真は白や青などの無地の背景を使いますが、業界に応じて異なる色を選ぶことも可とされています。写真館であれば、プロのカメラマンが顔の陰影を美しく見せるために、照明を最適な設定にしてくれます。

ヘアセット&メイクアップ

証明写真は、「会ってみたい」「一緒に働きたい」と思ってもらうことが重要となります。
そのためには、企業が求めているイメージであることも大切ですので、男女ともに清潔感のあるヘアメイクを心がけて撮影しましょう。
一般的に、男性は髪を整え、無精ひげを避けます。女性はナチュラルメイクを心がけ、過度な派手さをおさえるようにします。就活写真にふさわしい清潔感のあるヘアセットやメイクアップを心がけましょう。

以下の記事では、一般的な就活写真のヘアメイクについて解説しています。

衣装や身だしなみに気をつける

就活写真の撮影時、男女共に基本的にはリクルートスーツが好まれますが、職種や転職者の場合にはオフィスカジュアルを着用することもあります。
スーツを選ぶ際には、無地の黒や紺、そして白いシャツが定番です。どの服装でも、シワや汚れを避けて清潔感を重視しましょう。また、アクセサリーは控えめにし、シンプルな装いが好印象を与えます。就活写真はあなたの第一印象を決めるため、細部にまで注意を払って撮影しましょう。

構図・表情・ポーズ

就活写真は、基本的にリラックスした状態で撮影にのぞみ、自然な表情を心がけてください。
また、この記事でお伝えしたとおり、構図やポーズは、目指す職種によって変えることが大切です。たとえば、営業職なら自信を感じさせる表情、接客業なら明るく親しみやすい表情など、職種に応じた表情やポーズも工夫してみましょう。このとき、構図やポーズは、カメラマンと相談し最適な表情やポーズを見つけられると理想的です。

レタッチ

レタッチは、ニキビや肌荒れなど一時的な肌のトラブルを補正するためにおこないます。
ただし、不自然な仕上がりは逆に悪印象を与えることがあるため、第三者からの目線で見たときに、自然な仕上がりを目指すのがポイントです。レタッチは適度におこない、自然な美しさを引き出すようにしましょう。写真館では、撮影後にレタッチも依頼できる場合が多いので、予約時にレタッチの有無や範囲を確認しておくことをおすすめします。

サイズと受け取り方

「納品方法」でもお伝えしたとおり、就活写真は、応募先の指定サイズや形式にあわせるとすぐに使えるので便利です。一般的な履歴書用のサイズは4.0cm×3.0cmですが、企業によっては異なる場合があるため、応募要項を必ず確認しましょう。
また、写真の受け取り方法も重要です。印刷形式だけでなく、データ形式で受け取ると、後で焼き増しや再提出が必要になった際にも対応しやすくなります

料金の確認

就活写真の撮影では、料金も重要な要素です。
予約時に、撮りたい写真が予算内に収まるかを必ず確認しましょう。
高額だからといって必ずしもよい写真が撮れるわけではありませんが、料金が安すぎる場合はサービスが不十分なこともあります。また、当日オプションを追加することも考慮して、支払い方法や料金プランを事前に確認し、準備を整えておくと安心です。

就活写真は背景・構図・表情にもこだわって

就職活動用の証明写真は、衣装・ヘアセット・メイクアップだけが重要と思われがちですが、背景・構図・表情も非常に重要な要素となります。
背景次第で顔色をよく見せたり、そこに組み合わ焦る構図・表情・照明などで被写体の魅力を引き立てることもできるため、希望する業界や企業にあわせて、最適な組みあわせで撮影できるようにこだわってみましょう。あなたの就職活動の成功をお祈りしています!

※本記事の内容は、すべて就活写真ドットコム調べ(2024年12月現在)です。
※詳しい情報や実際の応募要項などは、公式情報をご確認ください。